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EOS M ~ 前編 [レヴュー]

PSLR4-5558.jpg
EOS M

EOS Mを一週間使ったので感想を書きたい。
M2が発表になり、間もなく発売になるってタイミングで、今更EOS Mのレビューもないとは思うが、画質に関しては同じ事が予測出来るので、その辺は参考になるかと思う。
また、価格差を考慮すると、今ならMは半額以下と言うのも無視出来ない要素だと思うので、そう言った意味でも、もしかしたら参考になるかもしれない。

IMG_5061.jpg

まず俺が買ったのはダブルレンズキット。
22mmの単焦点と18mm-55mmのズーム。
ストロボとEFレンズを付ける為のマウントアダプターがセットになったキット。
レンズキットは22mmのみで41000円程度で、ダブルレンズキットだと45000円程度。
ストロボもマウントアダプターもそれぞれ8000円と1万円位する物なので、ダブルレンズキットは、多少無理してでも買った方がいい組み合わせ。
ストロボは明るさとしては他愛のない物ではあるが、外部ストロボをワイヤレスでスレーブとして使う時、マスターとして使用する事が出来るので、多灯システムを組もうとしている場合、役に立つので強ち馬鹿にならない。
マウントアダプターも単焦点レンズなどを増やしていけるので、初期の段階で使用予定が無くても、追加投資が必要なくなる意味でも、意義深い物になる。何より、サードパーティー製の手頃なレンズが使える様になると言う意味では、初心者がこれからを基準にどうするか考えるのであれば、必ず使うことになる訳で、その初心者の場合は単焦点一本のシステムの方がハードルは高いのだから、最初は意味が分からなくても、キャノン用のレンズを買えば使える様になるって環境が手に入る訳だから、意味が分からなくても、持っているべきものだ。
価格差を考えると、これらがタダで付いて来る様な物なので、ダブルレンズキットのコストパフォーマンスは圧倒的だ。
これがM2になるとトリプルレンズキットがあり、単体で40000円位の広角ズームレンズがプラスされる。
価格はダブルレンズキットが10万円位、トリプルレンズキットが12万円位の範囲だ。
Mで同じレンズ環境を揃える場合でも、未だにコストパフォーマンスは高いと言える。
違いは重さとWiFi。
10%に満たない軽量化と小型化、WiFi機能の有無に5万円位の価値を見いだせるかどうかが、今現在MかM2かの判断基準になるだろう。
三脚を使ってのタブレット操作による快適さは、段違いではあるので、究極的にはここになるかもしれない。
別途リモコンを買わずとも、スマフォがリモコンになり得ると言うのも、ここに含まれる。
但し、リモコンは幾らもしないので、初心者が比較検討する上で、リモコンに拘るのは見当違いになるので、そこは注意が必要。
飽くまでも、画面を観て操作する環境が大きく手元にくると言う次元で考えた方が幸せになれる。
因みにだが、MもM2もバリアングル液晶は付いていないので、そこに対するキャノンの答えがWiFiであると言うことも真実になる。
さあ、この違いと価格差をどう考えるか。
俺としてはバリアングル液晶を使うのならば、WiFiの方が便利だと思うが、バリアングル液晶の方が手軽に変なアングルでの撮影は出来ると思う。
そして、俺のMの使い方では、WiFiに5万円はちょっと高いかな。
一年後に追加で買うのなら、悪くないかなって感じ。
なので、出るのを知らずにMを買ったが、一つも悔しくは無い。
買ったばかりなのに、型落ちと言われる事位かな。 笑
ここに5万円出す位なら、Mをもう1セット買った方が良いかなと感じる俺がいる。
付属品を全部処分すれば、ボディをかなり安い物に出来るし、2台のMに別々のレンズを付けておけば、相当楽しめそうな感じがしている。
特に俺の場合はFDマウントと言う昔のレンズを使う為にMを用意したので、マウントアダプターを用意して、それぞれ別の単焦点を付けてスナップすると言うのは楽しそうだ。

PSLR4-5585.jpg

さて、何故Mかだが、俺はノンレフ。つまり、ミラーレスと言われているレンズ交換式のカメラが欲しかった。
すべては先述したFDレンズを使うため。
何度か書いているが、レフ機のEOSの場合、FDレンズを使うのならば補正レンズが必要になる。
レンズのマウント面からセンサーまでの距離を示す、フランジバックの長さの関係だ。
FDレンズは42mm。
一方、EOSの標準のEFレンズのフランジバックは44mm。
ちゃんと規定の距離を保たないと、ピント位置があわなくなるのだが、EOSの場合は2mmも長くなり、マウントアダプターの厚みも加算されるため、すぐ近くにしかピントはあわなくなるのだ。
遠くの遠景を撮る様な場合だけじゃなく、目の前の人を撮るような場合であっても、ピントがあわなくなる。
あわせられる様にするためには、2mmカメラにレンズをめり込ませなくてはならない訳だ。
これを解決するために、補正レンズが入るという訳だ。
その補正レンズだが、どうにもこうにも写りが悪くなる。
可能ならば使いたくないのだ。
このフランジバックが長くなった理由はミラーの大きさが大きい為で、これが無ければフランジバックは短く出来る。
このミラーボックスを取り払ったのがミラーレスと言う訳だ。
しかしながら、元来必要のない設計だから無いだけなので、取り払ったのではなく、そもそもないと言うだけ。
だから、レスではなくて、ノンなのだ。
そこに違和感を感じるので、俺はノンレフと言ってる派だ。
話を戻そう。
このミラーボックスが無いMの場合は、フランジバックは18mm。
42mm の物を付けたいならば、下駄を履かせれば良いだけで、補正レンズなんか無くても、ちゃんと本来の位置にレンズを固定出来るのである。
それで、ノンレフが欲しかった。
その中でMの理由はキャノンだから。 笑
だけじゃなくて、APS-Cのセンサーを持つなかで、キャノンだったからって事。
候補はオリンパスのOM-D E-M1とソニーのα7R。
ざっくり言えば、どっちも高い。 笑
それでMである。

PSLR4-5574.jpg

経緯を話したところで、実際に使った感じを話そうか。
まずはレンズから
標準ズームから話そう。
一般の多くの人の場合は、単焦点よりもこっちの方が便利だと感じるのじゃないかと思う。
18mmから55mmの焦点距離なので、感覚的には24mmから70mmのズームレンズをフルサイズ若しくはフィルムのカメラで使う感覚に近い。
一番一般的なズームレンズの感じになるのかな。
個人的なシステムの具合感からすれば、16mmから70mmのレンズだったら最高なのになって感じだ。
それならカメラの特性的に望遠撮影って程ではないので、かなり広めではあるが、超広角ではない広角から、ポートレートでは充分な望遠効果を得られる位の望遠までが、これ一本で間に合う事になるからだ。
旅のお供なんかには最高な焦点距離になると思うが、その組み合わせのレンズは不思議と無いのだ。
コレって、大三元と言われている、大口径のズームレンズの広角と標準の二本を合わせた焦点距離になるのだが、これが一番使いやすいと思う。
そう言うレンズをどこか出してくれないかと切に願う。

並木
並木 posted by (C)あいあい

そこでは寒さはしのげないだろ
そこでは寒さはしのげないだろ posted by (C)あいあい

そんな部分から、広角も望遠ももう一息欲しいってのが本音。
だけど、実際不足を感じるかと言うと、賄えなくもない感じで使えてしまう。
望遠効果が欲しかったら近付けばいい。
幸いこのレンズは最短で25センチ位まで寄れるので、撮影距離が短くなるから背景は暈ける。
遠くを大きくと言うのは、そもそも出来ないので、それは別に任せるとして、それで望遠の様な効果は充分引き出せる。
広角は引けるなら自分の足で引いてやって、絞りを絞りめにすれば充分広角的にはいける。
良くも悪くも収差を取り切っていないので、カメラ内の補正を切り、歪みを残し、角度を付けて、例えばローアングルから煽る様にすれば、かなりの広角的な雰囲気にはなる。
意外に便利にいけてしまう、ギリギリの焦点距離なのだ。

水面に冬が映り込む
水面に冬が映り込む posted by (C)あいあい

春の足音3
春の足音3 posted by (C)あいあい

写りはと言えば、結構シャープ。
単焦点程ではないし、Lレンズなんかと較べたら、そりゃ、レンズが可哀相になるが、絞り開放が億劫になるほどは滲まないので、安心して使える。
寧ろ、俺のシステムの様に、フィルムの頃の大三元と較べたなら、驚くほど低額でシャープだと言えると思う。
デジタル時代の脅威と言えるだろう。
コーティング技術の進化には頭が下がる。
ただ、何処まで行っても、そこはズームレンズ、PCのデスクトップで等倍鑑賞すると、滲みは気になるレベル。
そう言った切れ味が欲しかったら、f8位までは最低でも絞らないと得られない。
それでも滲みはまだまだ残る。
それを無くすべくさらに絞り込むと、回折も発生して暈けるので、折り合いが必要。
デスクトップで全画面表示程度では、そんなものは見えないレベルなので、そう言う使い方は極めて特殊な鑑賞環境であることは、理解してもらいたい。
同様にA3位までのプリントなら全く問題無いのは言うまでもなく、要は等倍鑑賞が特殊と言うだけで、決して写りが悪いレンズではない。等倍鑑賞ってのは説明しておくと、ディスプレイの1ドットと写真の1ドットを一致させた環境。
横幅で5000ドット以上の物を一般的なフルHDモニターで表示するとなると、相当デカくしていると言うのが解ると思う。
Windowsでも、標準の再生環境でボタン一発で、その表示になるが、決して普通の見方ではない。
写真は構図って物がある訳で、飽くまでも全体的に観るものなので、それはチェック用の見方。
細かい所が観たいという欲から産まれたもので、それが誰でも簡単に出来る時代と言うのは恐ろしい話である。
その見方自体は否定しないが、飽くまでも標準は全体を全画面というところだろう。
その世界では問題無い範囲。
充分な切れ味だ。

柵に生きる
柵に生きる posted by (C)あいあい

窓
posted by (C)あいあい

発色はLレンズなどのコッテリした色とは違って、ポップな感じは受ける。
基本的にキャノンの発色ではあるが、軽めな印象で重厚さは乏しい。
それを狙うなら、彩度の高めのピクチャースタイルで書き出すのはもとより、露出をアンダー目にする必要がある。
フィルター処理も含めれば、重厚な物を吐き出せると思うが、俺はRAWで撮ってPSLR4で現像しているので、試してはいない。
軽めの仕上がりは、狙いのユーザー層を考えると妥当じゃないかと思う。
明るくポップなのは悪くない。
手ブレ補正も良好。

静けさに
静けさに posted by (C)あいあい

夜明けの空
夜明けの空 posted by (C)あいあい

新たなる始まり
新たなる始まり posted by (C)あいあい

月を見上げながら
月を見上げながら posted by (C)あいあい

夜明け前の撮影でガンガン絞っても手持ちでいける。
流石に夜中は辛いと思うが、お店の中や夜の町なら問題無いと思う。
一般の人の場合でも、暗くて撮れないって事はないと思う。
この辺はボディの話の時にもう一度含めた話をしたい。
ズームリングは適度に重く、気付いたら回ってたと言うことはない。
反対にワイド端・テレ端になりきっていないと言うことは結構あった。
カツンとしたショックがないように配慮したのだろうが、ハッとするのは間違いない。
そこそこの抵抗でも、回しきる様に意識する必要は感じる。
ピントリングに関しては後述する。

PSLR4-5602.jpg

次に22mmの単焦点
F 値は2で比較的明るいパンケーキレンズ。
小柄なレンズでMのボディとは非常にマッチする。
コレがなかなかいい写りをする。
切れ味は標準ズームとは打って変わって、単焦点らしい鋭い描写。
等倍鑑賞だって問題無い。

断面
断面 posted by (C)あいあい

Key
Key posted by (C)あいあい

空間
空間 posted by (C)あいあい

但し、カメラ内レンズ光学補正をオンにしている場合、若しくは、現像ソフトでレンズのプロファイルが用意されている場合だ。
オフにしていたり、プロファイルがない場合は、猛烈な周辺光量不足に襲われる事になる。
明るい部分は中心の僅かな範囲って位に、周辺光量が足りていない。
パンケーキレンズだから、それは仕方ない事だし、俺個人としては、そう言うレンズの方が面白いと思うので、一概には欠点と言えないと思う。
3段位絞ってやれば解消するし、そもそも、このボディに付けるのは前提で、ボディに最初から補正データはインストールされている。尚且つ、その補正に関しては、最初からオンになっているので、難しい事は何一つない。
寧ろ、この特性を利用してやれば、面白い写真が出来上がる訳で、デメリットはないに等しい。
補正を切れば、まるでそこだけスポットライトが当たったかのような写真になる。
トイカメラのフィルターを使うより自然なトイカメラになる。
何でもかんでも普通に写るより、こういう方が道具としては面白いのだ。

心
posted by (C)あいあい

最短撮影距離も15センチ。
これは寄れる。
思い切り近付いての撮影は、別次元の画になるし、広角だから小さくしか撮れないと言うことは全くない。
フットワークで何でも撮れるに近い。
これ一本の万能レンズに近い。
但し、言ってもフルサイズならかなりの広角で、充分に超広角と言える程の焦点距離なので、これで女の子に寄って撮ったら、変にデフォルメされて評判が落ちる可能性は否定出来ないので、撮るときは注意が必要。
上手く使えば、反対により可愛らしくもなる。

落葉
落葉 posted by (C)あいあい

伸びる
伸びる posted by (C)あいあい

発色は標準ズーム同様でレンズを変えても、色が変わってしまうと言うことはない。
流石はキャノンだが、今なら当たり前でもある。
M のレンズについては、明るくポップな色調を意識しているのかもしれない。
L 意外のEFレンズを使っていないので、比較対象は豊富ではないが、世界で最初にレンズシリーズで発色を揃えたのがキャノンなので、これも同様だと思う。

紅葉 1
紅葉 1 posted by (C)あいあい

紅葉 3
紅葉 3 posted by (C)あいあい

紅葉 5
紅葉 5 posted by (C)あいあい

二本のレンズに共通するのは、STMと言うステッピングモーターを使ったレンズであること。
俺はUSMのレンズばかりだったので、STMを使うのはこれが初めて。
MFの感触はしっとり滑らか、適度に重く、絶妙な抵抗感でMF自体はしやすい。
フルタイムMFが可能で、違和感無く使えるのだが、レンズに切り替えスイッチは無いので、カメラのメニューを開いて切り替えないと不便な場合がある。
そのため、フルタイムMFが活きているかというと、微妙な感じはする。
この辺の切り替えはレンズに付けても良かった様に思う。
理由はカメラのメニューを整理出来るし、レンズはレンズ、カメラはカメラの方が、意識もしやすい。
AF 動作は静か、こんなに静かなんだと驚く。
速度はボディの性能もあるので、無評価とする。
最大の欠点はデザイン性を活かしたせいで、距離指標が無いこと。
このせいで、最短撮影距離で撮っているかどうか、不安になる事があった。
大した事ないように感じるが、結構扱いにくく感じる部分である。
これはAFのダメさとも直結するのだが、原則としてはAFと言うのは、もっとも近い物にピントを合わせる。
しかし、このMって奴は、極端な近距離ではそう振る舞わない。
細かい事は後述するが、そのせいで最短撮影距離かどうか、つかめない部分があるのだ。
これはレンズとしては致命的だと思う。
ピントが良ければ、気になる事ではないが、ピントが良くないので、欠点になっていると言える。

さて、此処までで前編としたい。
ここまででも、結構なテキストになるので、読む方も疲れる事だと思う。
次はボディの話に移る。
これがなかなか曲者なのだ。
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コメント 2

ばん

これはEOS Mでとった写真ですか?
見とれちゃいます
by ばん (2014-10-28 06:29) 

あいあい

ありがとうございます。
本体の写真はともかくとして、他は全てEOS Mで撮った物です。
この記事の写真は買った当時の物ですね。
11ヶ月前ですかね。。。
う~ん、、、早いなあ、、、笑
ここまで撮れるとは思っていなかったのを思い出します。
専用のレンズと相まって、なかなか良い描写をしますね。
by あいあい (2014-10-28 06:57) 

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